旅好きシニア女子がガンになった

病に、心まで支配されずに生きることは可能か?

2人に1人はガンで死ぬ?

2人に1人はガンで死ぬ。

よく耳にする言葉だ。

 

確かに、80や90才になれば、ガンは、老化した細胞が引き起こす加齢性疾患であり、2人に1人はガンで死んでしまうというのは、正しいのかもしれない。

寿命が長くなりすぎたのが、原因だ。

 

しかし、50代、60代の皆さん。

ガン患者って、周りにそんなにいます?

 

その年代でガンを患うということは、まだまだ少数派。

 

"2人に1人はガンで死ぬ"

60代以下の人に、この言葉を言わないでほしい。

 

まだ、死ぬには早い。

 

70代となると、やや微妙?

 

身近なところで、同世代のガン患者には、なかなか出会わない。

 

ガンを宣告された瞬間から、ガン患者は孤独になる。

家族や親しい友達が、いくら励ましてくれても、彼らはガンの当事者ではない。

 

医者は忙しく、診察室にいられる時間は限られている。

 

相談する人もなく、いきなり出会った黒い巨人の正体を知ろうと、ひとりで格闘する。

 

病院から配布された患者向けの説明書は、何度も繰り返して読んだ。

 

自分の患っている乳がんはどんなタイプか?

手術はどのように行われるのか?

手術後の治療法は?

等など。

 

国立がんセンター等、他のがん専門病院のホームページにも、何度も目を通した。

 

それでも飽きたらず、がんの治療法、生存率、ガン患者ブログ、様々な検索ワードを打ち込み、孤独なネットサーフィンを毎日、明け方まで続けることになる。

 

治療前で、ただでさえガン細胞が増え続けている最中なのに、明け方までのネットサーフィンのせいで、寝不足のまま出勤する。

 

寝不足からくる疲労で、免疫力はますます低下し、ガン細胞は容赦なく、加速度的に増殖していく。

 

そんな妄想に取り憑かれながらも、ネットサーフィンを止めることが出来ない。

 

ガン患者は、様々な治療の選択肢を迫られる。

昨日まで、ガンとは無縁な生活を送っていた素人が、自分の命に関わる選択をしなければならないとは、何と理不尽な。

 

孤独な戦い。

 

そんな時、乳がん患者会に出会った。

 

手術前の私は、新参者だが、

 

手術が終わったばかりの人。

 

抗がん剤治療中で、かつらを被った人。

 

治療終了後、長年、再発のないガンサバイバー

 

肝臓に転移したが、無治療を選んだ人。

 

転移して9年間、ずっと抗がん剤治療を続けながらも、前向きで元気な人。

 

医者から宣告された余命はとっくに超えていて、今年は越せないと言われている、と明るく笑う人。

 

骨から脳にまで転移しているけど、新薬や新しい治療法に期待をしている、人間って、案外簡単に死ねないものよ、と励ましてくれる人。

 

様々なステージの乳がん患者が、一堂に会している。

 

そして、自分の話を聞いてくれる。

 

また、それぞれの体験談、がんへの向き合い方を話してくれる。

 

ネットのがん情報の海で、溺れかけていたところを、救い出された気がした。

 

コロナの為、しばらく休会していたが、その患者会が、今年、2年ぶりに再開された。

 

ひとりのガン友が放った言葉が、印象的だった。

 

ガン患者は、常に、"たられば" で心が揺れる。

 

あの病院に行けばよかった。

全摘で無くてもよかったんじゃないか。

もっと早く、抗がん剤を打てばよかった。

抗がん剤を打たなくてもよかったんじゃないか。

 

どの治療を選択したかは自分の判断。

その結果、再発したとしても、それは運命とあきらめる。

 

キッパリとした言い方だった。

 

そういう肝の座った考えを聴くと、ちょっとした体の不調があると、ガンの再発か、とうろたえてしまう自分は、見習わなければいけないな、と思う。

 

 

ファイブスターカフェの海南チキンライス

東京で1番美味しい❣️、、、と思う。

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